高齢者の孤食が問題になっているらしいけど、どんな理由があるのかしら?
日本の高齢者人口は年々増加しています。増え続ける高齢者の生活で問題視されているのが孤食です。
孤食とは一人で食事すること。20〜30代の若者の孤食も増えていますが、高齢者の場合はさまざまなリスクがあります。
孤食のおもな原因は、未婚や離婚、配偶者の不幸などによって一人暮らしの高齢者が増えていることです。
とはいえ、孤食が問題視されている理由がピンとこない人もいますよね。この記事では、高齢者の孤食が問題視されている理由と解決方法を紹介します。
記事を読むことで、あなたの身近で一人暮らしをしている高齢者のためにできることがわかります。
参考になる解決方法があれば、ぜひ実践してみてください。
高齢者の孤食が問題視されている状況公開
まず前提として、高齢者の孤食の状況を紹介します。孤食の状況を知ることで、どのくらい問題視されているかわかります。
孤食の原因は一人暮らし
高齢者の孤食が増えているおもな理由は、一人暮らしです。同居している家族がいないと一人の食事になります。
「国民生活基礎調査」によると、高齢者世帯の約半分が一人暮らしという結果になりました。
家族が近所に住んでいれば一緒に食事をする機会をつくるがおすすめです。
高齢者の2割は孤食をしている
農林水産省が発表した「食育に関する意識調査報告書(令和3年3月)」によると、60代の2割程度が孤食をしています。
公益財団法人長寿科学振興財団が運営しているWebサイト「長寿ネット」では、詳細として以下の記述があります。
年代別のアンケート結果として「家族と食事する機会がほとんどない」と答える60代は多いです。男性は26.6%、女性は16.2%が日常的に孤食をしています。
高齢者の孤食率は年々増加している
農林水産省は高齢者の孤食がこれからも増加するとの推計を発表しています。
年代 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
2030年 | 18.2% | 23.9% |
2035年 | 19.7% | 24.3% |
2040年 | 20.8% | 24.5% |
少子高齢化という社会的な問題も重なり、より深刻化します。高齢者の孤食に関して、一人ひとりが問題を認識することが重要です。
高齢者の孤食が問題視されている理由とは?
- 栄養不足になる
- うつ病のリスクが高まる
- 緊急事態の対応が遅れる
若者とは異なり、高齢者の孤食はさまざまな危険が伴います。社会的に問題視されている理由を紹介します。
孤食の問題① 栄養不足になる
孤食ばかりをしていると栄養不足になりやすいです。食事の準備がめんどくさくて偏食になるからです。
簡単に食べれるからと、コンビニ弁当やインスタント食品などの栄養が偏っている食事ばかりだと危険です。栄養バランスを考えた食事を心がけてください。
高齢者を対象とした調査結果によると、一人暮らしの高齢者の2人に1人は栄養不足です。栄養不足はさまざまな健康被害を引き起こします。
- 体重の減少
- 骨量の低下
- 体力の低下
- 認知機能の低下
- 風邪などの病にかかりやすく治りにくい
栄養不足は健康寿命の減少に直結します。病弱や寝たきりの高齢者は、充分な栄養が摂れていないことがほとんどです。
高齢になると免疫力や回復力が衰えます。日頃から栄養バランスの良い食事をしましょう。
高齢な親が食事をしてくれない5つの理由【食べさせるだけで大変】
孤食の問題② うつ病のリスクが高まる
東京大学の研究によると、高齢者の孤食はうつ病のリスクが高まるという結果が出ています。高齢者はセロトニンという脳内伝達物質が減少するからです。
セロトニンとは、感情や気分をコントロールするための脳内伝達物質のこと。加齢により減少します。
一人暮らしだと、まったく会話をしないまま1日が終わる高齢者も多いです。会話による脳への刺激がなければうつ病のリスクは増加します。
可能な限り、家族や友人と食事ができる環境を用意してあげると良いでしょう。
孤食の問題③ 緊急事態の対応が遅れる
高齢者の孤食でもっとも問題視されているのは、緊急事態の対応が遅れることです。一人暮らしだと万が一のときにサポートができません。
- 食事が喉に詰まった
- 転んで起き上がれない
- 急に胸が苦しくなった
昨日まで健康に見えていても、突然起こり得ることです。
家族と一緒なら、すぐに気づいてサポートができます。しかし、一人暮らしだと気づけません。
孤食は寂しさだけでなく、緊急時のサポートを受けられないリスクが高いです。
一人暮らしの高齢者が心配な家族には、「見守りCUBE」がおすすめです。離れた場所からでも、高齢者の様子がわかります。
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高齢者の孤食問題を解決する4つの方法とは?
高齢者の孤食を解決するために、もっともシンプルなのが家族と同居です。しかし、家庭の事情や人間関係で難しい場合が多いでしょう。
ここでは、家族との同居以外で高齢者の孤食問題を解決する方法を紹介します。問題解決のために動いているサービスがあるので、ぜひチェックしてください。
宅配弁当サービスを利用する
高齢者の孤食問題の一つである「栄養不足」を解決するには、宅配弁当サービスの利用が最適です。
宅配弁当サービスとは、栄養バランスの良い弁当を届けてくれるサービスです。近年注目を集めています。
管理栄養士やプロの料理人が監修しているのでコンビニ弁当より健康的です。レンジで温めるだけですぐに食べることができます。
高齢者に宅配弁当サービスがおすすめな理由は以下の記事で詳しく解説しています。
一人暮らしの高齢な親に宅配弁当サービスがおすすめな理由【家族も安心】
宅配弁当はサービスごとに特徴が異なります。高齢者向けのおすすめなサービスを厳選したのでご覧ください。
老人ホームやデイサービスを利用する
高齢者の孤食問題を解消するには、老人ホームやデイサービスもおすすめです。施設の食事は他の利用者と一緒なので、孤食にはなりません。
食事だけでなく、施設で友人や趣味ができることあります。脳に刺激を与えることで認知症やうつ病の予防も可能です。
高齢化社会なので老人ホームやデイサービスは増えています。お住まいの地域で相性の良い施設を探してください。
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家事代行サービスを利用する
最近では、家事代行サービスで高齢者の孤食問題を緩和しているケースもあります。
家事代行サービスとは、料理や掃除、買い物などの家事を代行するサービスです。忙しい人や高齢者に人気があります。
サービスごとにサポートする内容は異なります。掃除のみで料理はしないというサービスもあるので事前に確認が必要です。
栄養を考えた料理をしてくれるので、健康的にも安心です。数日分を作り置きしてくれるサービスもあります。
掃除だけの家事代行でも、担当者との会話で脳に刺激を与えることができます。自宅に人が来てくれるだけで孤独からの逃れられるのでおすすめです。
オンラインコミュニケーションをとる
高齢者の孤食問題を解決するために、オンラインでコミュニケーションをとる家庭もあります。
テレビ電話や見守りサービスを使って、オンラインで交流をすることです。
気軽に会話ができるだけでなく、食事している様子を遠隔で見守ることができます。食事中に万が一があっても気づけます。
宅配弁当サービスで安全な食事を用意しつつ、オンラインでコミュニケーションをとるという組み合わせが人気です。食事と孤独の両方を解決できます。
初期設定をしておけば操作が苦手な高齢者でも簡単に利用できます。日常的にオンラインでの会話が楽しめるので、家族のコミュニケーションツールとして人気です。
孤食を解決するには高齢者向けサービスを活用しよう!
この記事では、一人暮らし高齢者の大きな問題である孤食について紹介しました。
孤食が問題視されている理由と、解決方法を知ることは重要です。あなたの親や祖父母が一人暮らしをしているなら実践しておくことをおすすめします。
近年は高齢者向けのサービスも増えています。高齢者の状況によって、利用するサービスを選択できるのは便利です。
高齢者の悩み | おすすめサービス |
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食生活や栄養が不安 | 宅配弁当サービス |
自宅でひとりの楽しみを作りたい | 動画配信サービス |
自宅で人と関わりつつサポートが欲しい | 家事代行サービス |
多くの人と関わって寂しさを解消したい | 老人ホームやデイサービス |
自宅から離れた家族と関わりたい | オンラインコミュニケーション |
高齢者のお住まいの地域や要望によっては、複数のサービスを併用することも可能です。一人暮らしならではの問題点を解決してあげましょう。
高齢な親や祖父母に聞くと遠慮されることもあるでしょう。しっかりと話し合うことが重要です。
万が一が起きる前に、今できることを家族がやってあげるのは素敵な恩返しになります。どれも今からできる孝行です。